予防歯科は、むし歯や歯周病になってから治すのではなく、なる前に防ぐことを目的とした診療です。ご自宅の歯みがきだけでは落としきれない歯垢や歯石を歯科医院で取り除き、お口の状態を定期的に確認します。当院では担当衛生士制をとり、毎回同じ歯科衛生士が前回からの変化を継続して見守ります。目安として3〜4か月ごとの定期検診をおすすめしています。
症状がない今こそ検診の適期です。小さな変化を早めに見つけられます。
歯みがきでは落ちない汚れを専用の器具で除去し、みがき方も見直します。
治療した歯は再発しやすい場所でもあります。定期的な確認で長持ちを目指します。
検診は「悪いところを探す時間」ではなく、「今の状態を知り、次の3〜4か月の過ごし方を一緒に決める時間」と考えています。1回の検診はおおむね45〜60分で、以下の内容を行います。歯周病の検査・治療として保険診療の範囲で行うことが一般的です。
むし歯は、お口の中の細菌が糖分をもとに酸をつくり、歯を少しずつ溶かしていく病気です。初期の段階では自覚症状がほとんどなく、「しみる」「痛む」と感じる頃には内部まで進んでいることが少なくありません。一度削った歯は元には戻らないため、当院では進行度に応じて「削らずに経過を見る」「必要な部分だけを削る」といった選択肢を検討し、その理由をご説明したうえで治療を進めます。
歯の一番外側のエナメル質にとどまった状態。痛みはほとんどなく、経過観察や小さな詰め物で対応します。
エナメル質の内側の象牙質まで達した状態。冷たいものがしみることがあります。むし歯を取り除き、詰め物や被せ物で補います。
歯の神経(歯髄)まで到達し、強い痛みやズキズキする痛みが出ることがあります。神経の処置(根管治療)が必要になります。
むし歯かどうか、どこまで削るかの判断には、拡大鏡やマイクロスコープによる拡大視野とレントゲンを組み合わせます。治療中の痛みに対しては、表面麻酔を塗ってから細い針でゆっくり麻酔を行うなど、負担を減らす工夫をしています。詰め物・被せ物は保険の素材とセラミックなどの自費の素材があり、それぞれの特徴と費用を治療前にご説明します。
歯周病は、歯と歯ぐきの境目にたまった歯垢の中の細菌によって歯ぐきに炎症が起こり、進行すると歯を支えている骨が少しずつ失われていく病気です。強い痛みが出ないまま進むことが多く、成人が歯を失う主な原因の一つとされています。歯みがきのときの出血、歯ぐきの腫れ、口臭、歯が長く見えるといった小さなサインの段階でご相談いただくことが、歯を残すうえで大切です。
炎症が歯ぐきにとどまっている状態。歯みがき時に出血することがあります。適切な清掃で改善が期待できます。
歯ぐきの溝(歯周ポケット)が深くなり、骨が減り始めた状態。歯ぐきの下の歯石を取り除く治療が必要です。
骨の多くが失われ、歯がぐらつく・膿が出るなどの症状が出ます。外科的な処置や、状態によっては抜歯を検討することもあります。
歯周病の治療は、「検査 → 基本治療 → 再評価」を繰り返しながら進めます。歯科医院での処置だけでなく、毎日の歯みがきの質が結果を左右するため、担当の歯科衛生士がみがき方や補助用具の使い方を継続してお伝えします。治療で改善した状態を保つには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
根管治療は、むし歯が歯の神経(歯髄)まで達した場合や、以前に神経を取った歯の根の先に膿がたまった場合に、歯の内部を清掃・消毒して薬剤で密閉する治療です。歯を抜かずに残すための治療ですが、根の中は細く枝分かれしており、肉眼では確認しにくい部分の処置が求められます。当院ではマイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を2台備え、必要に応じて拡大視野のもとで治療を行います。
むし歯が神経に近づき、冷たいものや温かいものがしみる、ズキズキ痛むといった症状が出ます(歯髄炎)。
神経が死んで細菌が根の先まで広がり、噛むと痛い、歯ぐきが腫れるといった症状が出ます(根尖性歯周炎)。
過去に根管治療をした歯に違和感や腫れが再び出た状態。被せ物を外し、再度根の中を清掃します(再根管治療)。
肉眼の数倍〜二十数倍に拡大して根の中を確認します。見落としやすい細い根管や亀裂の発見に役立ちます。
治療する歯だけをゴムのシートで隔離し、唾液に含まれる細菌が根の中に入るのを防ぎながら処置します。
通常のレントゲンでは重なって見えにくい根の形や病巣の広がりを立体的に確認し、治療の見通しをご説明します。
症状をうかがい、レントゲンや必要に応じてCTで根の状態を確認します。歯を残せる見込みと、治療にかかる回数の目安をお伝えします。
麻酔をしてから、治療する歯にラバーダムを装着します。処置中に唾液が入りにくい環境を整えます。
むし歯や古い詰め物、感染した神経を取り除き、細い器具で根管の中を清掃・形づくりします。
根の中に薬剤を入れ、仮のふたで密閉します。状態に応じてこの工程を複数回繰り返します。
症状が落ち着いたら、根の中を専用の材料でしっかり詰めて密閉し、再び細菌が入り込むのを防ぎます。
歯の内部に土台を立て、被せ物を装着します。被せ物は保険・自費の素材からお選びいただけます。
小児歯科は、乳歯が生え始める頃から永久歯に生えかわる時期までのお子さまのお口を診る診療です。乳歯はいずれ抜けますが、乳歯のむし歯を放置すると、あとから生える永久歯や歯並びに影響することがあります。当院ではキッズスペースを設け、お子さまのペースに合わせて、まずは診療室や器具に慣れることから始めます。泣いてしまう日があっても、無理に治療を進めることはしません。
歯が生え始めたら歯科デビューの時期です。仕上げみがきの方法や、おやつ・飲み物との付き合い方をお伝えします。
永久歯が生え始め、みがき残しが増える時期です。奥歯の溝を埋めるシーラントやフッ化物塗布でむし歯を防ぎます。
ほぼ永久歯に生えそろう時期です。自分でみがく習慣づくりと、歯並びが気になる場合のご相談も承ります。
初回は椅子に座る、器具を見る、水を出してみるといった練習から。歯医者を怖い場所にしないことを第一に考えています。
歯の質を強くするフッ化物の塗布と、奥歯の深い溝をあらかじめ埋めるシーラントで、むし歯になりにくい環境づくりを行います。
仕上げみがきのコツ、生えかわりの見通し、指しゃぶりなどの相談まで、保護者の方の疑問にも時間をとってお答えします。
キッズスペースで気持ちを落ち着けてから診療室へ。保護者の方には生活習慣やお困りごとをうかがいます。
チェアの動きや風・水の出る器具を、実際に触れながら体験します。「今日はここまで」で終わる日もあります。
むし歯の有無、歯の生え方、歯ぐきの状態を確認します。必要に応じて、お子さま用の小さなレントゲンを撮影します。
クリーニングとフッ化物塗布を行い、奥歯にはシーラントをご提案します。みがき方も一緒に練習します。
むし歯がある場合は、お子さまの集中できる時間に合わせて短時間で区切りながら治療します。
3〜4か月ごとの検診で、生えかわりの様子とむし歯の有無を継続して確認します。
親知らずは、10代後半から20代にかけて一番奥に生えてくる歯です。まっすぐ生えて上下がきちんと噛み合っていれば、必ずしも抜く必要はありません。一方で、斜めや横向きに生えて歯ぐきの腫れを繰り返したり、手前の歯をむし歯にしたりする場合には抜歯を検討します。当院では歯科用CTで神経や血管との位置関係を確認したうえで、抜くかどうかを含めてご相談します。
上下で噛み合い、清掃もできている場合は経過観察で問題ないことが多く、定期検診で状態を確認します。
歯ぐきがかぶさって汚れがたまりやすく、腫れや痛みを繰り返しやすい状態です。抜歯をおすすめすることが多い生え方です。
骨の中に埋まったままの状態。症状がなければ経過を見ることもありますが、袋状の病変や隣の歯への影響がある場合は抜歯を検討します。
「親知らず=抜くもの」とは考えていません。抜くメリットと抜かないリスクを比較し、CTで神経(下歯槽神経)や上あごの空洞(上顎洞)との距離を確認したうえで方針を決めます。抜歯は保険診療で行い、通常は30分〜1時間程度です。難しい位置にある場合や全身のご病気がある場合は、連携する口腔外科をご紹介することがあります。
顎関節症は、口を開けるとあごが鳴る、口が大きく開かない、あごや周りの筋肉が痛む、といった症状をまとめて呼ぶ名前です。噛みしめや歯ぎしり、頬づえやうつぶせ寝といった習慣、ストレス、噛み合わせなど、複数の要因が重なって起こると考えられています。多くの場合、生活習慣の見直しや負担を減らす保存的な治療で症状が和らぐとされており、当院ではまずお話をうかがい、原因となりそうな習慣を一緒に探すところから始めます。
口の開け閉めでカクッと音がする状態。痛みがなければ経過を見ながら、負担をかけない習慣づくりを行います。
指が縦に3本入らない、途中で引っかかる状態。関節内のクッション(関節円板)のずれが関わっていることがあります。
あごや頬、こめかみの痛み、朝起きたときのだるさなど。噛みしめや歯ぎしりによる筋肉の疲労が関係していることがあります。
顎関節症の治療は、まず「あごに負担をかけない」ことが基本です。問診と触診、開口量の測定、必要に応じてレントゲンやCTで関節の状態を確認し、症状に合わせてセルフケアの指導やマウスピース(スプリント)の作製を行います。噛み合わせを大きく変える治療は最初から行わず、症状の変化を見ながら段階的に検討します。症状が強い場合や長引く場合は、専門の医療機関をご紹介します。
インプラント治療は、歯を失った部分のあごの骨にチタン製の人工の歯根を埋め込み、その上に人工の歯を取り付ける治療です。隣の歯を削らずに済むこと、自分の歯に近い感覚で噛めることが特徴とされています。一方で外科手術を伴い、骨の量や全身の状態によっては適応できない場合もあります。当院では歯科用CTによる診査のうえ、入れ歯・ブリッジを含めた選択肢を比較してご説明し、ご納得いただいてから治療を始めます。
両隣の歯を削るブリッジと比較して検討します。隣の歯が健康な場合に、インプラントが選択肢になります。
失った本数より少ない数のインプラントで、つながった人工の歯を支える方法もあります。部分入れ歯との比較をご説明します。
少数のインプラントで入れ歯を固定し、外れにくくする方法などがあります。あごの骨の状態や体調をふまえて慎重に検討します。
インプラントは「入れれば終わり」ではなく、長く使うためのメンテナンスまで含めた治療です。手術は個室診療室で行い、治療計画と費用は治療前に書面でご提示します。歯周病がある場合は先にその治療を行い、お口全体の環境を整えてから進めます。
| 治療内容 | 費用(税込) | 治療期間・回数の目安 |
|---|---|---|
| インプラント(1歯) 検査・手術・人工歯を含む | 380,000円〜450,000円 | 3〜6か月/4〜8回 |
入れ歯(義歯)は、失った歯を取り外し式の装置で補う治療です。手術が不要で幅広い方に適応でき、保険診療で作ることもできます。一方で、慣れるまでに時間がかかる、噛む力が天然の歯より弱いといった面もあります。当院では、生活スタイルやご希望をうかがったうえで、保険・自費それぞれの入れ歯の特徴を比較しながらご提案します。今お使いの入れ歯の調整や作り直しのご相談も承ります。
残っている歯にバネや装置をかけて支える入れ歯です。保険では金属のバネ、自費ではバネの目立たない設計なども選べます。
すべての歯を失った場合の入れ歯です。歯ぐきの形に合わせて吸着させるため、精密な型取りと噛み合わせの記録が大切です。
痛い・外れやすい・噛めないといったお悩みは、調整で改善することもあります。あごの骨の変化により作り直しが必要な場合もあります。
入れ歯は完成してからが本番です。装着後は数回の調整を重ねながら、お口になじませていきます。保険の入れ歯は製作期間の目安が2〜4週間・通院4〜5回、自費の入れ歯(金属のうすい床を使うものなど)は素材・設計によって費用が異なるため、診査のうえ事前に税込のお見積りを書面でご提示します(製作期間の目安:1〜2か月・通院4〜6回)。